いきいき長寿アカデミア
河村 雅子
多くの方の不調が改善されることを願っています
ことわざや名言の中には、本来の意味がいつの間にか違った形で伝えられているものが少なくありません。「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」というローマの詩人の言葉をご存知の方は多いと思いますが、実は最後の部分が省略された形で広く知られるようになったそうです。その省略された部分と言うのは、「…であればいいのに(そのように神に祈りましょう)」ということで、元々は「神様に対して、健全なる身体に健全なる精神が宿るように願いましょう」ということだったようです。2000年も前から心身両面での健康を人々が望んでいたことがよくわかりますね。 身体と精神のバランスを崩してしまう要因はいろいろありますが、対処方法を誤ると回復までに思わぬ遠回りをしてしまうということになりかねません。 「更年期」というと、女性特有のものと思っている方が多いのではないでしょうか。あるいは女性の更年期と結びつけて、男性にあるとしても50歳前後の人だけだろうと思われるかも知れません。いきいき長寿アカデミアから発信される情報で、「男性更年期」が正しく知られて、多くの方の不調が改善されることを願っています。
いきいき長寿アカデミア
河村 雅子(かわむら まさこ)
外資系企業で、約20年間秘書として勤務、その間に国際秘書(CBS)資格を取得。 その後、広島市立大学・広島県立大学・安田女子大学で英語の非常勤講師を勤めた。いきいき長寿アカデミア
顧問・医学博士 太田 信隆
正しい知識で更年期を「幸年期に」
かつて、私の周辺では「うつ病」と言われて突然人前に出なくなる男性たちが少なからずいました。それは、40歳前後の働き盛りだったり、第二の人生に夢を膨らませる定年を迎えた人たちでした。 彼らはみな気配りの達人で、世話役などいろいろなことを任せることのできる、有能な人たちでした。いま思い起こすと、あれは男性更年期障害(男性ホルモン欠乏症)だったんだな、早く治してあげたかったなと忸怩たる思いがあります。 いったん「うつ病」と言われ仕事を休むようになると、治療を行ってもほとんどは退職に追い込まれるという現実があります。これは本人はもとより、職場・家庭に大きな損失を与えています。正しい診断と治療は、この社会的損失を減少させることにつながるのです。 さらに、正しい更年期障害の知識と理解は社会組織の円滑な運営に貢献します。 一般的に男性は、自分の身体のことや心の中を見せることを由としない風潮があります。無気力感や不安感に襲われると、「歳のせい」と誤魔化すのではなく、心身の不良の原因と向き合いましょう。女性だけでなく、男性にも更年期があることを知っていただきたい。 男性にも女性にもある更年期障害に関して正しい知識が普及し、更年期と向き合えるようになれば、より多くの人たちがその後の人生を「幸年期にできる!」と信じています。 幸せな人生をおくることができるようになることを願ってやみません。